槓の技術
この記事では役満縛りにおける槓を解説しています。
槓の魅力
槓によって役満縛りは更に面白くなりました。役満数が増加しただけで無く、以下の良いところがあります。
・役満ルートの増加
自分が槓をして、或いは他家に槓をしてもらって、ドラが乗れば数えという択を取れます。有効対子数が少ない手牌を、槓ドラが乗ればという条件の元、有効対子数や縦受けを増やすことが出来ます。また、槓ドラが他家に乗れば、他家の数えルートを開拓しているかもしれません。
・新たな役割
役満縛りは、役満の手作りと、他家の使いたい牌(主にヤオチュー)を残して要求があればアシストする、という2つの行動により成っています。しかし、どうしても自分の役満が困難な手牌というのがやって来て、その時にやれることが少なくなってしまいます。そんな時に槓という第三の役割を持てます。
・合法槓
槓をすること自体は概ね全体にとってプラスの行動なので、合法的に槓を行えます。なので槓の楽しさを存分に味わうことが出来ます。ただし、暗刻があれば何でも槓すれば良いというものでもありません。
槓の環境
槓ドラが乗る確率はヤオチュー牌が48%、字牌が26%と有意義な槓ドラになる確率はそれなりにあります。しかしながら、槓ドラのおかげで数えに昇格するというケースは限定的です。なので、基本的には以下の4つのどれかを満たしている時に槓するのが良いでしょう。
・ローリスク
・自手が槓ドラ次第で数えを狙える
・他家が非国士傾向
・鳴き役満一向聴(ドロソ)
ローリスクとは、自手が槓をしなくても役満の可能性が低く、槓をした後にヤオチュー牌が出て行きづらいような、自分の役満にも他家の役満にも邪魔にならないような槓のことです。主に、槓をするぐらいしかやることの無い手牌を指します。
ローリスク時を除けば、槓をして利益を得られそうな相手がいることが望ましいです。まず自分が槓ドラ次第で舞える手牌なら有効槓です。他家が非国士と分かっている時は、槓ドラが助けとなる確率が上がっています。
アシスト槓の例です。他家から大明槓出来るヤオチュー牌が出てきた時はチャンスとなりがちです。
槓のデメリット
・ヤオチュー牌が溢れ易くなる(中張牌の槓)
・和了れる役満の種類が減る
・他家が国士を和了れなくなる(ヤオチューの槓)
和了面、アシスト面で最強の構えであるヤオチュー系の手作りから離れるとすれば、それが最大のデメリットです。
国士消しは失敗した時にやっちゃったなという気持ちにはなりますが、長期の収支的にはプラスなので目的を持ってやる分には問題有りません。
ヤオチュー牌の槓
ヤオチュー暗槓は、自分の手が良ければして大丈夫です。例えば字一色一向聴で字牌を暗槓するようなケースです。字一色の対抗として清老頭が出て来やすいので、4枚持ちせずに槓してしまうことで19牌をその1枚分保護出来るのはささやかなメリットです。
ヤオチュー大明槓は、その牌を切った人の国士が否定されていて、且つその人にドラが乗れば有効に使える可能性があるので、槓し易いです。このアシスト槓によって他家が役満を拾えたりします。
結構これくらいのところから槓しても行けます。この手はそこまで揃ってないですが、自分の手形が良い程、他家の国士は作りづらくなっています。国士が薄ければ槓して問題無いですからね。
中張牌の槓
ヤオチュー牌と違って他家から4枚目の牌が出て来るので、槓出来る機会は多いです。
他家のために行うアシスト槓は、暗刻以外の中張牌が多い方が適しています。槓しない時でも役満になりづらいので槓に踏み込み易く、槓をした後もヤオチュー牌を押さえ易いからです。二段目基準ですが、槓材以外に大体3枚以上中張牌があると安定して来ます。
槓でもろ乗りしたら、多くのケースで数えを狙うことになります。槓ドラが乗らなければ1枚持ちヤオチュー牌をなるべく切らないようにしながら打ち、途中で行けそうな役満が出て来れば狙うと良いでしょう。
注意点として、表ドラと違う色の中張牌の暗刻を槓すると自分の数えが難しくなります。槓ドラが乗ってやっとスタート地点くらいの感覚です。アシスト目的での槓なら気にしなくて良いです。
槓ドラ期待の手組み
槓ドラ期待の手をキープするかの判断ですが、
まず槓ドラで+3翻されたら海底数え以上になる対子数充足の手牌が最低条件です。
次に、暗刻が一つ以上あるか、既に槓が1つ以上されている場であるか、どちらかを満たしていることも条件です。前者は自力での槓が有るのと、暗刻が増えて行けば三暗での数えになるかもしれません。後者は自分であれ他家であれ槓が入っていることで、更なる槓がされ易い場となっているためです。
字一色の一向聴では槓ドラ期待せず19牌の暗刻や対子を崩して1枚持ち19牌を残して置くことで、いざ字一色手が出来た時には、他家のポン材を多く残せているので、より効率的なアシストを受けられるメリットがあります。なので槓ドラ期待するか迷ったらそう打つと良いでしょう。
槓を増やすムーブ
槓ドラ次第で数えになる手牌では、槓を起き易くするムーブを取ることも有力です。
・ヒントスタンプによって暗刻を槓させてもらう
・生牌の1持ちヤオチューを切る
・副露して行き聴牌に近づける
ヒントスタンプで暗刻を槓させてもらうことで、槓ドラが乗れば数えを作り易いですし、乗らなくても槓ドラが嬉しい手牌であると周知させることが出来ます。中でもドラ槓要求が強いムーブです。ドラ4を確定させながら、1個でもドラが乗ればホントイやホンローなら数えになり易いです。複数枚乗ればトイトイ数えも選択肢に入ります。中張牌のドラであれば、字一色や門前数えの可能性を追わないなら早くに槓させてもらっても問題ありません。
それ以外にも、
生牌の1持ちヤオチューを切ることで、他家の暗刻牌を切れれば槓してもらえるかもしれませんし、終盤であればポンが入って自分のツモが早まることも期待出来ます。
場合によってはヒントスタンプで対子の牌を切ってもらい、聴牌に向かうのも良いでしょう。その際は役満否定のマイナススタンプをわざと打たないようにします。そうすることで暗に槓ドラ条件の手牌であることを示せます。ヒント牌のポンでアシスト継続となれば、切りヒントを出せない位置の暗刻を槓出来たり、他家が槓を狙いに行ってくれたり、単に聴牌が近くなれば槓ドラが乗った時に和了り易くなるメリットがあります。鳴いて行く際は単騎スタンプ等で待ち候補の一つを教えておけると良いです。
自分が動きを入れることで、或いは他家に動きを入れさせることで、場に干渉して槓を起き易くすることが出来ます。ただし下二つは場荒らしムーブなので、やるとしてもある程度遅い巡目でやりましょう。
超序盤の槓
2巡目の槓のように超序盤の槓は諸刃の剣です。2種類のドラを使い易いメリットは大きいですが、槓のデメリットの部分も十分に受けてしまいます。この槓を入れると、卓全体としてヤオチュー牌に拘り過ぎないダイナミックな手作りが出来るのは面白いところです。また、更なる槓も入り易くドラがインフレしていく様も見えるでしょう。
超序盤の槓をするかどうかは好みとさせて頂きます。地和の可能性を消す槓で無ければ、ヤオチューでも大丈夫です。むしろヤオチュー暗槓の方が良いくらいです。
超序盤のヤオチュー槓が入った場合は国士調の手組みをしない方が良いです。数えか、字牌系の役満に寄った場になっています。
1巡目槓をしてWドラ戦となりました。
上手くハマれば強いです。
槓をした後の方針
・小四喜、三元系役満を狙う
・複数枚持ちの牌を崩しながらオリる
・暗刻を保持しながら更なる槓を目指したり、上振れれば四槓子
下らない手でいかに1持ちヤオチュー牌を消費しないかがポイントです。そのためには、槓して良いかの判断と、槓した後にオリるかどうかの判断をきちんと行ってください。
アシスト槓は数えを促進する行為なので、19牌を守って使えそうなドラを切ってしまえば何をやっているのか分からなくなってしまいます。なので、槓をした当人はドラの扱いには気を付けましょう。
暗刻以外の中張牌が0の場面です。槓したらヤオチュー溢れし易いですし、自分の役満の可能性的にも7pは大明槓しない方が良いです。
多種ドラの数え
使うドラが1種までの場合はホンホントイ/小三元/ドラポンのうち2つを満たしてると数えになり易いです。
ドラを2種使える場合は、ホントイか、ホンロートイであれば数えになる可能性が高いです。
ドラを3種使える場合は、ホンイツもホンローも無しで数えになる可能性があります。
使えるドラの種類が増えると一段階難しい数えが和了れるイメージです。
気を付けて欲しいのは、槓でドラが暗刻に乗っても役満確定では無いところです。ドラ対子、槓ドラ暗刻でホントイだと10翻は確約されていますが、13翻行くかは意外と際どいです。槓ドラが乗っても冷静に翻数計算しましょう。
海底アシスト時の槓
海底アシストの時に槓をしがちですが、最優先となるのは海底調整です。海底調整さえすれば、ほぼ勝ちというのが前提にあります。海底調整に不安がある時は、槓せずに調整用に加槓牌をキープして置きましょう。
槓被せの判断
他家が槓している時に自分が槓をするかの判断ですが、
槓をすることで他家に影響があるのが、
・四槓子
・三槓子
・ドラ槓(槓数が上限で槓不能)
となります。
非アシスト時であれば、2個以上の槓を入れた人がいる場合、四槓子ケアのため槓は控えめにしたいところです。
アシスト時は被アシスト者に槓が入っている場合は、槓して問題が無いかを見極める必要があります。特に、既に槓を入れている人から非数えのアシストスタンプが出た場合は、四槓子であるケースも想定されます。
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